トランプリスクの減速に好機2019.09.20

秋相場最初の注目だった各国の中銀政策会合がひとまず一巡しました。昨年の利上げ、もしくは「次は利上げ」という引き締めに向かう雰囲気から一転、世界中が緩和に傾斜している局面ですが、先進国の利下げはまだ初動です。いつも行動が早い(市場規模も小さい)オセアニアは一服となっていますが、欧州はマイナス金利の深堀、QE再開、フォワードガイダンスの修正と包括緩和、FRBは予想通りの25bp利下げ、その発表を受けて安心したであろう日銀は次回緩和示唆にとどめ、一部で利下げが囁かれたスイスも据置き、インドネシア中銀は3ヵ月連続利下げで着々と備えているという結果になりました。まずは初動段階で思惑で作られたショートの巻き戻しのような動きになっていますが、長いレンジではなくあくまで最初のインパクトとして見おいた方が良いかなと思います。

ただ直近の中で非常に良かった点は、タイトル通りトランプ大統領の発言に対する市場の反応が弱まっているということではないでしょうか。何を言うかも想定の範囲内だし、その背後には大統領選の支持率が見え隠れする。政権が一枚岩に見えない点も、今はトレーダーには好機に思えます。政府サイドの言及に左右されない市場判断に乗れる相場が戻ってきた(長く続くかは未だ不透明ですが)わけですから、穿って見ずに素直に反応に乗っていきたいところです。

来月は米中閣僚級会合が予定されていますから、それまでの牽制合戦は当然あるとして、早々に解決しない前提ですから、好材料への買い反応の方が強いと思います。特にドル円は、押し目買いスタンスです。

※こちらのコラムは当ホームページ向けの書き下ろしとなります。

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