株式投資早見雄二郎の特ダネ株式ニュース

　ドル円、ポンド円以外の通貨を見てみると、カナダドル円は安定した動きになっています。政策金利も１・７５％で今のところは据え置きの公算ですし、経済も他国に比べて減速感は弱めですが、政治が一枚岩ではない点は少し気になります。２０２０年の金融政策会合は１月２２日、日銀会合の翌日で先進国の中では年始の早い段階での会合を迎えます。

　豪ドル円、ＮＺドル円は２０１５、２０１６年が陰線、２０１７年に陽線、２０１８年、２０１９年（未）が陰線となっていますが、この長期で右下がりのトレンドを転換させるパワーはまだ見えません。特に中国との貿易ウェイトが高い国ですから、中国経済の減速は自国経済の減速に直結します。２０２０年もあまり期待は持てません。むしろ、残り少ない利下げチャンスをどこで使ってくるかというところでしょうか。豪はすでに量的緩和が示唆されています。

　メジャー通貨が冴えない中、高金利の南アランドが一人気を吐いています。ランドはもともと年末は金利差を意識した買いが入りやすいというアノマリーがあるようで、トレンドとして堅調というより季節的な問題と見ておいた方が良いかもしれません。電力問題は不透明ですし、格下げを免れた程度しかプラス材料が見当たりません。

　２０２０年はさすがにもう少し全体的にボラティリティが欲しいと強く願いますが、同じ動きが続くようならばリスクを取ってもペソやその他高金利通貨に一段と触手を伸ばした見方を書いていきたいと思います。
　２０１９年も１年間ありがとうございました。２０２０年からは弊社の状況が色々と変化いたしますが、引き続きお引き立ていただけましたら幸いです。どうぞ良いお年をお迎えください。

※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。