29日に行われたアメリカのFOMCでは、事前予想通り金利据え置きが決定されました。海外景気やインフレ圧力を注視するとし、声明文を見ると個人消費はインフレについて若干の下方修正が見られましたが、総じて内容は変わらず。為替市場は無風通貨となりました。全体的には何か問題が生じた時には利下げの対応をするという雰囲気が強まったことから、年内利下げ回数の予想は1.6回(従来予想1.2回)と次の行動は利下げであるという雰囲気がやや強まったという印象です。
世界的には中国の新型コロナウイルス肺炎の拡大が懸念されており、29日は英国の航空会社BAが中国の発着全便の欠航を決めるなど、徐々に雰囲気が悪化しています。ただ個人的には、ここで押し目を作ってくれるのではないかと見ていますので、コロナウイルス事体を過度に心配するよりも、このニュースが好転して収束に向かうのを早めにキャッチしていきたいという目で見ています。
株を含めて全体的にリスクオフの流れが強まり、クロス円は総じて年始の寄り付きを下回り、2020年1月は月足陰線で引けるものが多そうな中、ドル円は陽線で小幅の値下がりで終始しています。下げ過ぎた通貨ペアの押し目買いのを狙うとともに、強いドルは安値を拾っていきたいと思います。
その他月末は金融政策に絡む材料が何かと増えていますが、豪は1月29日に発表した第4QCPIで1年ぶりに基調インフレに改善が見られました。1.40で膠着していたのが、1.45にやや回復です。ただこの回復に安心はできません。それよりも、直近で起きた大規模な豪森林火災の影響が第1QGDPで織り込まれてくるでしょうから、成長力の悪化とインフレ率の再下落に注意しておきたいところです。
加えて1月末はもう1つ。英国のEU離脱が控えています。これ自体はもう完全に織り込まれていますので、その後の通商交渉に目線は移っていきますが、この意味でも英ポンドの乱高下は依然注意してください。
こうしたマイナス材料を上げてみると、個別に拾っていきたい通貨はドル円他、NZドル、カナダドル、その次にユーロという目線です。
※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。
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