先週は、ドルが一極集中型で一気に112円台まで急騰したドル円でしたが、パンデミックの様相に近づきつつあるコロナウイルス懸念で世界の金融市場が大荒れとなっており、27日の米株は下げ幅で過去最大を記録するなど、リスクオフの流れが急速に強まっています。
トランプ大統領は27日の日本時間8時半にコロナウイルス問題について会見を行い、あらゆる対応を行うこと、ペンス副大統領をコロナウイルス問題対応の責任者に任命するなどの姿勢を示しましたが、28日にカリフォルニアが発表した数字によると、一気に感染者数が33人となり、経過観察対象が8400人もいる中、検査キットは200人分しかないという会見があったことで、さらに株価を押し下げて過去最大を記録するまでとなりました。日本の報道を見ていても、感染についての報道から、次第に経済に落とし込んだ場合の経済減速の深刻さについての扱うニュースが増えてきたように感じます。
この急速な経済減速への懸念を受けて、為替市場では一段の金融緩和という動きが強まってくる見込みです。CMEのフェドウォッチによると、直近の予想ではFRBが年内に2回の利下げを織り込んだ動きになっており、3月のFOMCでの利下げ確率は50%も膨らんできました。この流れはアメリカに限らず世界各国で金融緩和の必要性が高まる経済打撃になりそうですから、中銀会合への警戒が必要です。
改めて主要国の政策金利を確認すると(※政策金利変更の余地がある国のみ)
アメリカ 1.50-1.75% 次回3/17-18日
イギリス 0.75% 次回3/26
カナダ 1.75% 次回3/4
豪州 0.75% 次回3/3
NZ 1.00% 次回3/25
直近では、豪州とカナダが来週会合を控えています。豪州は利下げ余地が少ないので、今回は据え置き公算が高いですが、カナダはもしかしたら「予防的な利下げ」(昨年10月会合で予防的な利下げの実施の可能性を示唆)が行われる可能性や、予防的な利下げの実施を再度言及する可能性が高いと思いますので、カナダドル売りの動きに注意しておきたいと思います。一旦、この混乱状態が落ち着くまで、ポジションはスクエアにして次の流れを待ちたいと思います。
※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。
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