経済回復期待が後押し2020.08.14

 11日、ロシア政府が世界で初めて新型コロナウイルスのワクチンを承認したことが報じられたことで、株式市場は「経済回復」への期待から力強い動きになりました。その後は国ごとの事情で株価が上下していますが、明らかな動きが出たのが2000ドルまで上昇していた金や鉱物価格の下落です。NY金は2063ドルの最高値から一気に1871ドルまで急落してきました。一旦反発していますが、直近で見せていた金の上昇分は吐き出す下落になりました。

 ドル円はリスクオンの動きが強まり、一時107円まで上昇してこちらは直近の円高分を取り戻す動きになっています。

 報道の基調もやや変化してきました。つい先ごろまでは「新型コロナ新規感染者数」ばかりが取り沙汰されてきましたが、次第に経済活動の緩やかな回復について取り上げる向きが増えてきたように感じます。

 新型コロナに端を発した多くの問題点に解消の道筋が付き始めた中、経済指標から見ると、多くの国で現在からこれから秋にかけて4-6月GDPの速報値が発表されますから、これをもってリセッションという報道が増えてくると思います。直近でもイギリスがリセッション入りしたことが確認されました。ただ、世界全体で景気後退は避けられない既定路線でしたからリセッション入りそのものは織り込み済み。それよりも実際にどのぐらいで脱却できるのかに注目していきます。

 アメリカの場合は、NBER(全米経済研究所)の景気循環日付が基準とされており、戦後の景気後退期間の平均は11カ月、今回は2020年2月から景気後退入りと判断されましたので、現在すでに7ヵ月が経過し、平均値に照らすと今年の12月には脱却局面入りが期待される可能性もありますね。そもそも「浅いリセッション」とも言われていますから、現段階では長引く可能性は少ないように(願望も含めて)思われます。この点では、ドルがここから一段の売りになる可能性は低そうです。

 そうした変化の期待を待つ年末を前に、11月には大統領選挙があります。この選挙の大きな課題の1つである米中問題では8月15日には米中で第1段階通商合意の履行状況を検証が行われます。また大統領選挙を前に、強硬な姿勢で矢継ぎ早で中国に制裁を科すアメリカと、最低限の報復をして選挙が終わるのを待つ?中国。その大統領選挙では民主党のバイデン候補の副大統領指名がカマラ・ハリス氏と発表され、いよいよ大詰めとなってきました。

 ※こちらのコラムは今週木曜日時点で執筆した会員向けレポートより加筆・修正しております。

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