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秋相場でトレンド変化を見せる2020.10.02

 4年に一度の大統領選挙が重なる今年は、例年以上に政治の影響を受ける秋相場となっていますが、すでに9月末が終わった時点でトレンドに変化を見せている通貨が見えます。その最たるものがユーロで、ユーロドル、ユーロ円共に月足で9月末に陰線つつみ足の形になりました。ユーロは今夏、IMM先物のポジションでも過去最高のロング(買い)が積み上がっていましたが、9月以降の学校再開などによって新型コロナの感染者が欧州各地で急増していることなどを受けて、ロングの解消が進んでいます。

 ユーロドルの2011年以降のチャートを見てみると、ロングが続いた後の高値水準での陰線つつみ足が過去3回ありました。
11年5月 最高値1.49398から12年7月まで▲19%
14年6月 最高値1.39933から15年3月まで▲25%
16年5月 最高値1.16161から17年1月まで▲11%
といずれも大きく値を下げる動きになりました。そして今回が4回目です。直近高値が1.20113ですので、もしここから10%下落したとしても1.0810。これは今年の春ごろの水準あたりですから、上昇分を吐き出す形で戻される可能性もチャート的に考えられる水準です。

 ではユーロ円の方はどうかというと、こちらは直近で月足の陰線つつみ足の出現が目立ちます。2018年以降は下げトレンドの中で何度か繰り返す出現でしたので、ユーロドルほどはっきりと高値警戒シグナルとして精度が高いかは甚だ疑問ですが、出現したこと自体は否めません。

 この月足の陰線つつみ足ですが、その他ポンド円、NZドル円、ポンドドル、オージー(豪ドル)ドルでも出現しています。対円はともかくとして、今の主役は大統領選挙を控えたドルです。選挙結果次第ではドルの急伸もあり得るので、この月足のつつみ足が大きなシグナルになって、ドル独歩高の形を示すことになるかもしれません。

 9月30日の日本時間午前10時より、大統領候補者2名のテレビ討論会が行われました。終了後の世論調査では今回の討論会の勝者がバイデン氏だったことを受けて米先物が下落。また改めて浮き彫りになった郵送による投票の結果、11月3日で結果が判明しないかもしれないという懸念も合わさり、ややリスクオフの動きになりました。こうした内容に揺らされる相場が本番になりますので、長期シグナルは1つの目安として、でもそこに縛られないトレードをしていってください。

※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートより加筆・修正しております。

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