大統領選挙の結果がいまだ決着せず混迷を極めていますが、金融市場はバイデン新政権の方向性にかじを切って新たな動きがスタートしています。日経平均は2万4千円回復し、新型コロナによる株売りを埋め戻す形になりましたが、為替市場はどうでしょう。
11月5日の欧米市場でドル円相場は下押しし、104円台を完全に割り込む動きになりました。一旦103円台示現の後104円台に戻していましたが、再び値を消し、日足チャートで実体を含めて104円を割り込む形となりました。2016年、ちょうど4年前の大統領選挙以降、ここまで4年間で104円台は何度となく安値で止まる節目になっており、今年3月のコロナ危機の時に一時101円台まで下げることはありましたが、これはオーバーシュート気味でしたので、実際の動きとして103円台を示現してくるのは4年ぶり、テクニカル面で見ても大きな三角持ち合いを下に放れる動きとなりました。翌6日の東京時間には、株価はザラバで年初来高値を更新しているものの、ドル円は円高続伸で103.35迄円買いが進む展開になっています。
直近約30年で大統領選挙の後にドル円相場がどのような動きになったか、大統領選挙の11月から就任の1月までの3ヵ月間の動きやその後を見てみたところ、1992年以降前回2016年までの7回のうち、堅調な円安になったのが4回、いったん下げたがその後円安転換したのが1回あり、円安相場が7回中5回。対して完全に円高になったのが1回(2008年)、最初は円安だったがその後大きく円高になったのが1回(1992年)。ちなみに円高になった2回とも、当選は民主党候補でした。
大統領選挙が通過したとはいえ、法廷闘争がどのように時間が掛かるかは分かりません。来年1月20日に新大統領が就任するという流れは変わらなくとも、議会のねじれは継続され、政治不透明感が強まる可能性もあり、目先はドル売りの流れが解消されづらい地合いになるかと思います。
※こちらのコラムは毎週木曜日時点で執筆した会員向けレポートより加筆・修正しております。
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