新年あけましておめでとうございます。この年末年始は英がEUと暫定合意をし、正式に離脱するということがありましたが、為替は特段荒れることも有りませんでしたが、いざ市場が本格的に始まってみると、週初は円高が強まり1月6日には一時102.592の直近最安値を更新しましたが、その後世界的なリスクオンを追い風に一気に円安に転換し、直近で104円示現の上昇となりました。為替市場に今は強い主体性がありませんので、株式市場にらみの動きがもうしばらく続きそうです。ただ、各国の金融政策やファンダメンタルズの一段の悪化には警戒を。
ちなみに本日(1月8日)は米12月雇用統計の発表です。
NFP予想 7.1万人 (前回24.5万人)
失業率予想 6.1% (前回6.7%)
平均賃金予想 0.2% (前回0.3%)
予想を大きく下回るサプライズの方がアクションは大きくなりそうです。
今週は1月7日(日本時間)にはアメリカでトランプ支持者が議会占拠をし犠牲者が出るなどの痛ましく、また異例の事件が発生し、トランプ政権は退任前に崩壊の形になっています。(ちなみにリアルタイムの金融市場はこうした大事件を全くスルーする堅調な動きだったことも非常に印象的でした。)この後1月20日にはバイデン政権が発足しますが、短期間でトランプ大統領が矢継ぎ早に強硬路線の政策に大統領署名をするなどしていましたので、引き続き米政権には多くの難題が残ります。
バイデン新政権に対する各国の対応を見ると、2015年の核合意から一転、イランがウラン濃縮度を20%に上げる作業を再開するなど、対米新政権に対して早くも厳しい姿勢を見せ始めています。ユーラシア・グループの10大サプライズの筆頭は「バイデン新大統領」だったことからも、新政権発足に不安が付きまといます。また元祖10大サプライズのバイロン・ウィーン氏の方は、年前半にSP500指数が20%近い調整、年後半には4500迄上昇するという、かなり波乱含みな予想も。どちらにしても、楽観的な見方が少ない2021年の金融市場が始まりました。
昨年、金融政策を取り巻く要人を一新したトルコは、12月24日にも2%の利上げを実施して現在政策金利は17%、トルコリラは対円で14円台までじりじりと値を上げてきました。常にコロナの感染拡大防止に早々に手を打つオセアニアはNZ、豪ともに堅調な動きです。NZドルは対円で74.91迄上昇し昨年来高値を更新。豪ドルも80円台乗せとなり、同じく高値更新です。
昨年暮れに取り上げた南アフリカランドは、その後同国初の変異種がワクチンも効かないという見通しを受けて、コロナ感染懸念から、年初から大きく値を下げています。コロナ変異種の登場で下げたところで押し目買いと書きましたが、まだ時期尚早。もう少し世界的に落ち着くまでは静観と考えます。
まだまだコロナに振り回される年になりそうですが、本年も何卒宜しくお願いいたします。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋・加筆修正したものになります。
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