米株が史上最高値を更新し続け、日本株も30年半ぶりの3万円台乗せ、コロナによる経済大打撃を底支えするために量的緩和による世界中に溢れたマネーが投資に向かって1年になりますが、気になる動きが少しずつ出ています。
2月28日、2020年の中国スーパーリーグのサッカー王者、江蘇FCが運営停止を発表しました。運営会社が経済悪化によりクラブの売却先を探す、場合によっては解散もあり得るということで数カ月前に王者に輝いたチームの運営停止にサッカー界では驚きをもって報じられました。何より親会社である蘇寧というのは、中国の家電小売販売企業で深圳市場試乗にも上場しており、身近なところでは2009年にラオックスを買収した会社です。2020年中国民営企業ランキング500では、ファーウェイに次ぐ第2位という中国民間大企業の1つですが、コロナにより業績が急激に悪化しており、一気に財布のひもを締めています。
コロナ打撃からいち早く回復している中国経済とみられていましたが、3月2日には中国金融当局トップが「海外の金融資産バブルがいつか崩壊するのではないかと非常に心配している」と発言しました。当局が資金流入を管理し市場の混乱を防ぐ計画をしていると表明したことで中国の先行き不透明感がやや高まりましたが、直近ではこうしたバブル懸念を都度発してきた中国です。それが国内なのか国外を指すのか実際のところ分かりませんが、5日から今年は予定通り(昨年はコロナ禍で5月に延期)全人代がスタートします。そこで報じられる経済・財政への言及に注意深く見ておきたいです。
さて、長期金利は急騰から一服しはしていますが堅調な動きで1.5%台乗せ目前の動きです。ドル円相場は一段とドル買いを集めて昨年8月以来の107円台乗せ示現となりました。昨年は年前半に107-108円に留まることが多かったのでこの辺りは厚い壁になってきそうですが、週足の一目均衡表では雲を上に抜く動きになっていますので、引き続き押し目買いスタンスです。
追記:尚、今年の成長率目標は年6超とすることを、3月5日の全人代開幕直後に李首相より公表されましたが、第4次五か年契約(2021~2025年)の成長率目標の設定は見送られています。今年7月の中国共産党創設100年に向けて総力を挙げて経済を下支えしていくことが想定されます。
※こちらのコラムは会員向けレポートから修正・加筆したものになります。
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