4月21日のカナダ中銀金融政策会合にて、4月26日の週から国債購入プログラムの買い入れ額を40億カナダドルから30億カナダドルに減額というテーパリングが決定しました。これは、景気回復の進展を反映させたものとし、さらにマックレム中銀総裁の発言によると、QEプログラムのさらなる調整は段階的に実施すると言及しており、さらなるテーパリングを示唆するというかなり強いメッセージが発せられました。
また、0.25bpという政策金利は2022年後半まで維持するという期間設定も、従来の2023年から前倒しされたことで早期利上げに向かうだろうという観測が強まり、カナダドルは一時独歩高となりました。このところの原油高もまたカナダドルには追い風です。
対して軟調な動きが続くのはドルです。ドル円相場は3月末の110.96から一気に107円台示現となりましたが、これは連休前のレパトリという解釈ではなくどの通貨に対してもドルの全面安になっていますので、米10年債利回り上昇で1.74台で全面的なドル高になった反動で、低下によりドル売りにつながっているのではないかと思います。個人消費はバイデン大統領の大規模経済政策による給付金で大きく押し上げ効果が出ており、これは海運業界の活発化や貿易拡大につながっていることから、さらに大きくドルが下値を模索するような動きにはつながりづらいのではないかと思いますが、逆にドルが再び低ボラで動かなくなるかもしれません。ただ株を筆頭に金融市場全体にリスクオフの色合いも強まっていますので、長引くようだと下値懸念が強まります。
金融政策面では、一部報道でFRBが6月にもテーパリングを示唆し始めるのではないかという見方が出ています。今回BOCが先行して決定しましたが、アメリカは早くても年末から2021年前半にテーパリングを段階的に始めるよう準備であるという方向性を示すという観測ですが、それを探る意味でも今回の27-28日に開催される4月FOMCにて現状をどのように表すか注目していきます。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。
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