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経済正常化に向けて動きだしたアメリカの雇用は?2021.05.07

 コロナ危機から次第に脱し、経済正常化に向かおうとする海外市場の中で、4月末にテーパリングを開始したカナダドルは、その後高値に張り付いて堅調な動きを続けています。お隣の大国アメリカもワクチン接種率が高まり、米株市場は上昇の一途を続けています。5月4日には、イエレン米財務長官から「経済が過熱するのを防ぐために利上げが必要かもしれない」といった発言が飛び出しましたので、すわ利上げかという雰囲気が強まりナスダックは2%下げましたが、その後発言(の強さ)を打ち消す発言もあり、早期利上げ期待は後退しました。ただ、株式市場が強くけん引する今の金融市場で市場参加者が一番恐れているのは米国の利上げ開始による株式市場の失速であり、最高値圏で難しいかじ取りを進めているのが改めてハッキリとしました。

 ただ、いずれにしても経済ポジティブの話ですね。7日に発表される4月の雇用統計は、ロイターの中央値がNFPは97.8万人増(前月91.6万人増)と前月を上回る伸びを見込み、失業率も前月の6.0%に対して、今回は5.8%を予想しています。ただ、先般発表された民間雇用統計のADPは予想80.0万人増に対して、結果74.2万人増と前月の51.7万人増は上回ったものの予想値には届きませんでしたので、予想値を少し下回るけど堅調な数字が出てくるという線が高いかもしれません。各銀行の中でもBOAの予想値はNFPが95万人増、失業率は5.7%で回復は堅調だが先行きには厳しいという姿勢を示しており、その内容にコロナ禍での高齢者の離職と学校再開遅れの為の女性の社会復帰の遅れを示唆しており、非常に現実的な見通しという印象です。

 いずれにしてもドルを売る要因には繋がりません。予想値を例え下回っても前月を上回れば回復基調であることは確認できますし、今後利上げ論が浮上してくるようになればこれもドルにはプラスですから、想定以上のネガティブサプライズが無い限りは底堅く堅調な動きが続くのではないかと思います。

 為替市場の注目はもう1つ。6日にスコットランドで英国離脱を狙うスコットランド民族党のが議席をどれだけ獲得するか注目される議会選挙が行われます。実際に過半数を取る勢いがあると報じられており、独立の是非を問う2度目の国民投票に結び付くかどうか大いに注目されます。結果は8日に出そろうと見られており、国民投票に一歩近づくのであれば週明けポンドに要注意ですね。

  ※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。

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