中国に揺らされる夏が続くか2021.07.30

 コロナのワクチン接種が各国で進み、欧米勢は2年ぶりのバケーションを楽しむような市場参加者の薄さが際立ってきました。まさに夏相場ですね。薄い時にポジションを取ってもあまりいいことがありません。それよりは、お盆以降の秋相場に向けた方向性を見極める研究時間にしておいた方が良さそうです。

 この夏相場で嫌な動きを見せているのが、言うまでも中国当局です。個人情報を有する中国企業の海外上場に強い規制を表明し、コモディティ価格の上昇抑制のための包括的な措置の実施も発表。続いて直近では営利目的に学習塾設立の禁止規制でエデュケーション関連株が軒並み大きく下落し、不動産市場の違法活動を3年以内に一掃することを目指すと表明するなど、7月に入って矢継ぎ早に当局の政策が打ち出されています。

 この中国当局による経済への締め付け・支配力の強化を懸念し、米上場の中国大手98社で構成した『ナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数』は3営業日で約19%下落し過去最大を記録。時価総額は最高値の2月から半分が吹き飛びました。またどこかに当局の弾が撃ち込まれるかもしれないという強い懸念から、海外勢を中心に運用株から中国上場株を外す動きも加速しだすなど、不安定な動きになっています。中国は来年・2022年に5年ぶりの共産党大会を控え、習近平国家主席の指導力強化と経済の底上げ期待が強まっています。参考までに、近年の共産党大会(10月開催)は2002年、2007年、2012年、2017年とあり、上海総合株価指数の史上最高値が2007年10月の6124です。中国の指導部が現体制になったのが2012年11月からで、それまでずるずる下げていた株価指数が下げ止まったのも同時期です。さらなる任期の延長を目指すと言われる2022年の共産党大会ですから、それを前にやはり株価を大崩れさせることは政治的に難しいだろうという見方から考えると、今見舞われている波乱は金融市場的にも一時的なリスクオフの押し目買い場面になりそうかという印象です。

 ただし、当面はさらなる政策規制に対する警戒が怠れません。

  ※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。

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