今週7日にロックダウンの最中の豪金融政策会合は事前予想通りのテーパリング縮小(月50億買い入れ→40億)決定を発表しました。その瞬間は豪ドルが買われましたが、次回の見直し時期を従来予想の11月から来年2月に先送りし買いも失速しました。日足のチャートを見ると、200日線まで接近するも届かずに失速。200日線がかなり大きな上値の壁となっています。
そもそも今回テーパリング縮小は決定しましたが、利上げの開始時期は早くて24年ごろと言われています。理由は欧州とそう変わらないと思われますが、デルタ株の感染拡大が続いているだけではなく中国の経済の流れが大きく変化していることが見通しに明るさを持てません。1976年、毛沢東の死去により終息した「文革」という雰囲気が再び漂いつつあり、中国企業もただ当局の指示に従わず逆らわず、様子を見て守りに入っているような中ですから、貿易における中国ウェイトの大きい国は引き続き不安定な将来見通しにはならざるを得ません。
中国に関するネガティブな材料はかなり頻繁に出ているものの、市場参加者も対応済みか耐性が出来たか、それが今目先の反応につながることはありません。ただ長い目で見て関係各国に響いてくる点は注意深くウォッチし続ける必要がありますね。
さてアメリカですが、先週末に発表された8月雇用統計は振るいませんでした。ただ、再びデルタ株感染拡大している中で一時的に雇用が止まっているジャンルも多い中、例年通りの季調済みの数字では現実の経済を浮き彫りにしているとはいえない、一過性の悪化だという見方も強く、悲観的なムードではありません。8日に発表された7月のJOLT求人件数を見ると、過去最高の1093.4万件で前月に続いて1千万件を超える高い数字となりました。コロナ規制の中就職活動に制約のある人は多いとはいえ、企業が求める雇用数は決して少なくないですから、アメリカの出口戦略は着々と進むと見られます。
※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。
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