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石炭価格急落も資源通貨は変わらず2021.10.22

 直近では中国やアジア諸国の電力・エネルギー不足による資源価格の上昇が目を引き、それに連動して資源を有する国の通貨(資源国通貨)も堅調な動きになっています。ただ、電力不足が深刻な状態の中国では19日、国家発展改革委員会が政府の介入によって急上昇する石炭価格を引き下げる措置の実施を検討していると表明したことで、石炭の先物価格が急落しました。一気に4%以上の急落で下から「資源通貨はどうなっているか?」と見るとこのニュースに対して全く売られていません。

 むしろ20日にはNY原油が終値で83ドル台、一時84ドルをつけて7年ぶりの高値になったことで豪ドル、カナダドルなどは対円で一段高になりました。最近の傾向を見ると、中国政府の行動はむしろ資源通貨にとって上昇燃料となり相場を一段と高まる結果になっているような印象です。中央政府がそうした姿勢を示すことで「それだけ酷い状況になっている」=まだまだエネルギー全般に需要があるという追い風でしょうか。

 実際に今週の豪ドルやNZの債券利回りはいずれも急上昇しており、資源高を背景に「金融引き締め加速を予想」した動きが顕著です。豪ドルは9月の安値78.84に対して、直近で86円まで上昇して5月の高値も抜き、たった1ヵ月間で9%以上の上昇、カナダも9.3%と急激な上昇になってきました。

 こうした引き締め期待を背景に、来週は27日にBOC(カナダ中銀)、11月2日にRBA(豪)、FOMCなどが控えています。利上げ期待、テーパリング開始等々、金融政策の正常化に向けた期待が高まる中銀会合が控えていますので、こうした流れを背景に一段と思惑の動きが出そうですが、手堅く利食うチャンスとして利益を確定するのも一考です。同じこの10月後半は、中国恒大のデフォルトニュースが飛び交いやすい時期です。9月末の利払い延長期限に達する時期ですからネガティブニュースの反応に対して注意が怠れません。
 

 ※こちらのコラムは会員向けレポートから抜粋したものになります。

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