5月4日のFOMCで事前予想通り22年ぶりに50bpの利上げを決定しましたが、当日の全体的な内容は「思ったよりも」ハト派的、且つパウエル議長が一部で予想されている次回の75bp利上げを否定したことで、ドル売り、株買いの反応となりましたが、結果往って来いの形になりました。パウエル議長の発言に対し、市場は「それでインフレ抑制が出来るのか」という懐疑的な雰囲気となり、短期金融市場は再び75bpを織り込む動きに。128円迄下げていたドル円は再び130円乗せとなっています。急ピッチな利上げに対する警戒があるのも当然ではありますが、それ以上のインフレの上昇、資源価格の高騰、人手不足があるわけで、さらなる思い切った判断が迫られる可能性の方が現実的です。とはいえ、ここからもう一段のドル円相場の上昇はかなり緩やかなものになると思われますので、未だ売りたくはないけれども押し目買いという場面でもなく次の動きを待って様子見たい地合いです。
また連休中には当初予定に比べてかなり前倒しの利上げになりましたが、RBAが2010年11月以来の25bpの利上げを決定しました。ECBも6月(9日)利上げ予想が強まっており、金融緩和が続く日本円とはますます金利差が注目されそうな地合いです。
また直近で増えてきたワードが「リセッション」です。ロシアのエネルギー禁輸問題もあり現実味を帯びてきたリセッションですが、BOEが利上げの最中でありながらも2023年のリセッション入りを予想したことでポンドドルは大幅に下落し、2020年3月以来の大幅安となりました。2年債利回りも低下し約1.39%となり、2016年のEU離脱を決定した国民投票直後の大幅低下に並ぶ動きになったことは要注意です。ある時突然、インフレが急降下し始めるかもしれない、ベイリーBOE総裁の発言は英国だけではなく多くの国に当てはまるかもしれません。
※こちらのコラムは会員向けレポートから一部抜粋したものになります。
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