先週末に発表された7月の雇用統計は予想を大きく上回るサプライズとなり、ドル円相場は一気に上昇しました。NFPは予想+25.0万人に対し、+52.8万人(!)、失業率はパンデミック前の水準である3.5%まで回復するなど、非常に堅調な雇用状態が確認されました。今後の利上げペースについて、鈍化見通しが強まっていたのが一気に再び大幅利上げの期待がもたげはじめ、再び日米金利差重視の相場地合いです。本日10日の米時間に発表される米7月CPIの結果次第で相場が大きく変化しそうです。CPIが前述の雇用統計のように予想を大きく乖離する好結果となれば、9月以降のFOMC大幅利上げトレンドへの期待が復活し、再びドル円が大きく買われる展開も。CPI予想値は前月比の予想が0.2%(前回1.3%)、前年比予想が8.7%(前回9.1%)となっています。
今の予想だとやや鈍化でインフレのピークアウトを期待させるものですが、前回の雇用統計同様、予想はあくまで予想です。結果がどう出るか。予想通りあるいは予想より弱い等、インフレのピークアウトを確認させる数字であれば株価は堅調に、日米金利差は縮小、ドルは売られ安くなりそうです。今回の雇用統計同様に大きく予上に乖離した場合はサプライズで大きく動きが変わりそうです。現在のドル円相場は139.39の高値から130.39の安値まで下げてからの半値戻し水準の135円近辺で小動きになっています。
そのほか、英ポンドは先般のMPCで50bp利上げが決定されました。他国の利上げ幅を見ていると50bpなんて対してインパクトが無いように感じますが、同国としては95年2月以来27年ぶりの大幅利上げ決定です。利上げ自体は6会合連続、どの国よりも早く利上げに取り組んでおり、現在の政策金利は1.75%となりました。尚、英国は政権与党の保守党の次期党首であり英国新首相が9月5日に決定します。新たな政権が地政学的に不安が多い今の世界情勢の中でどのように国内外から信任を得ていくでしょうか。
※こちらのコラムは会員向けレポートから一部抜粋したものになります。
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