株式投資早見雄二郎の特ダネ株式ニュース

　ドル円相場はこのパウエル議長の発言を受けて以降続落し、12月2日には3カ月ぶりの135円割れ寸前まで値下がりしてきています。日足チャートでは21日線が90日線にデッドクロスしてきました。2021年8月に一時的なクロスはあったものの、値動きが無くその後は上に放れたので、しっかりとした下げ基調を示すデッドクロスは2020年3月9日以来です。この3月9日というと円が暴騰し、株価大暴落で日経平均が１千円安、NYダウは2千ドル安しサーキットブレーカーが発動したコロナ暴落のところです。今回、それ以来の形であり、厚い抵抗ゾーンの雲を下抜けしたところでのデッドクロスとなりました。長期トレンドを示す200日線はまだ右上がりだが、これが下向いてくるタイミングに注意したいです。

 

　その他の通貨では、カナダドルが直近で110円台でダブルトップをつけて値を消した。ネックラインを割り込み、21日線が90日線にデッドクロスし、雲も下抜け。そして直近で200日線も割り込み、完全に下落トレンドとなっています。まさにドル円相場の一歩先を行く形です。

 

　カナダドルは、カナダ中銀が米に先立って利上げ幅の縮小を決定し、加えて昨今の原油価格の下落もあり、10月の高値から直近安値101.35で▲8.1％の短期間で急落の動きになっています。カナダ中銀は来週7日に年内最後の金融政策会合を控えています。

 

　一方、ドルの下落を受けてユーロドルは200日線を上抜けてきました。ユーロ圏もドイツで2年債利回りが10年債を上回る逆イールドが14年振りに発生し、利上げ不況を警戒した動きが出てきていますが、通貨の動きは対ドルで大きく下落し続けてきましたので、しばらくはドルの軟調を受けた反発で上昇基調が続きそうです。

 

　為替の動きが年末にかけて大きくトレンド転換してきました。クリスマス休暇前のポジション調整も出てきますので注意してみていきましょう。