12月2日に一時133.62迄下げて200日線にタッチしてきたドル円相場ですが、200日線に支えられる形で値を保って反発しており、急激な円高は一服しています。来週はインフレ率公表、FOMCと注目材料が続き、FOMCでは利上げ幅を50bpに縮小することがコンセンサスになっています。この見通しはおおむね変更ないと思いますが、来年以降の金融政策の方向性についての言及がどのようなものになるか、市場の注目が集まると思います。
今週は6日にRBA、7日にBOCがそれぞれ利上げを実施しましたが、この2カ国についてはこれで当面利上げは打ち止めになる公算が高く、急激なインフレに対応してきた多くの国で、利上げの打ち止めが現実的になってくると考えられます。
豪ドルはこうした利上げ打ち止めの方向感を受けて下げが止まらず、21日線と200日線がデッドクロスしてきました。今年1月以来の変化です。またRBAは毎年1月に金融政策会合が無く、次回は2月7日(火)となりますから、12月会合から年明け1月半ばまでにかけては、例年手掛かり材料がなく大きな動きも出ません。動きが出辛い時期節を考慮したトレード(スワップ目的等)以外は他の通貨に目を向けたいところです。
カナダドルも対円で豪ドル以上に急角度で21日線と200日線がデッドクロスしてきました。こちらは戻り売り目線でFOMCも合わせて参考に注目しています。
こうした利上げ打ち止め感が出る中で、アメリカは未だ利上げ幅は縮小しても打ち止め感は出てきません。もう一段の円安地合いが来るかというと難しいですが、今金利差等を加味するとドル売り円買いになる要素も無く、大きな方向性を狙ったショートポジションを作るような場面ではないと考えます。日足のMACDもそれを示す形です。ただ来週は今年の欧米の最後の週ですし、最近のドル円は少し難しい局面。12月第4週はクリスマス休暇で閑散とし出しますし、第5週後半は新年相場入りです。ポジション調整や薄商いに注意して身軽になっておくことをお勧めします。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。
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