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FOMC議事録で追加利上げ思惑高まりドル続伸2023.05.26

 合意できずに協議が続いている米債務上限問題が引き続き相場の足を引っ張っていますが、ドル円相場は高インフレ率を背景に堅調な動きが続き、半年ぶりに139.59迄上昇してきています。24日に公表された5月2-3日のFOMC議事録の中で、追加利上げについて当局者の意見が分かれたことが示されました。5月のFOMCでは25bpの利上げが全会一致で決定されたものの、6月以降の利上げ停止を示唆しておりドル円は直後に大きく値を消しました。ちょうど今回相場で2回目の200日線で上値を抑えられた局面です。この時は直前に米地銀のファーストリパブリック銀行が破たんしたこともあり、余計に先行き減速感を強める雰囲気もありましたが、今回公表された議事録では「数人の参加者がインフレ率の鈍化ペースが非常に遅いから今後複数回の会合で追加利上げが正当化される可能性が高い」とし、一方これを上回る数の参加者は経済の見通しに沿って進めば追加利上げは不要であるという意見でした。

 また同日にウォラーFRB理事が講演の中で6月会合で利上げを見送っても、7月に再開する可能性があると、まだまだ利上げを継続する姿勢を示したことで、ドル円はするっと上昇しました。
 
 足下の株式市場を見ると、債務上限問題が合意しないことで鈍い動きになっていますし、リセッション入りに向かうという見通しも燻っていますから、通貨の強さと経済の強さが乖離した状況になっていますから、一気にドル高のトレンドが形成されるかはまだ不透明感が漂いますが、そのトレンドが作れるかどうか、物価動向が大きく寄与しますので、6月13日の5月米CPI、そして翌日深夜のFOMCと6月第3週に向けて要人発言等も大きく増えますから注意です。当然その前には6月1日に米政府が資金ショートするのか、そしてADP、雇用統計と米雇用関連指標も続きます。
 
 今週ではその他RBNZの利上げがありました。今回25bpの利上げを決定し、また利上げ打ち止めを示唆、2024年第3Qからの利下げ開始を見込むとし、NZドルは大きく売られています。直前22日に50bpの利上げを検討できるのではないかというような報道がありました。2023年会計年度(23年7月~24年6月)予算案を受け、リスクバランスが大幅利上げに傾いたという観測記事ではありましたが、その直後の会合で25bpと予想通りの利上げ且つ利上げ打ち止めです。市場期待がちょっとタカ派に傾いていたので、予想通りの利上げ幅なのにネガティブサプライズに動いた形です。
 

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋・一部修正しました。

 

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