各国中銀の金融政策会合が続いています。現在22日前場ですが、夜には英中銀が恐らく利上げを決定しますし、その他新興国でも会合が続きます。各国ともテーマは「インフレ対応」で、デフレの後の歴史的に急激なインフレの対応等引き続き注目が集まります。利上げとなると各通貨上昇しやすいですから、全体的にドル安、円安です。ドル円については円がさらに最弱ですから円安に向きやすい状況です。が、そのまま一方通行なのでしょうか。
16日、米財務省は半期に一度の為替報告書を公表しました。この報告書が今の枠組みになった2016年以降、日本は監視対象指定国でしたが、今回監視対象が外れました。昨年秋に24年ぶりの大きな介入をしているにもかかわらずなので、ちょっとしたインパクトでした。昨秋、実行責任者である神田財務官もドル売り為替介入について米側とは緊密に連携していると説明していましたが、かなり大規模な介入を行ったにもかかわらずの監視対象除外ですから、一部の見方としては、去年介入を行った「145円」「151円」は市場が警戒する水準として再び意識されそうです。
また、ブラックロックCEOのインタビューの中で、日銀の売り転換に警戒しているという内容がありました。時間の決まっていない日銀金融政策決定会合は植田体制で当面注目度の高い会合となりそうです。7月は28日開催です。
今週はその他の注目点として、中国人民銀行が10カ月ぶりの利下げを行いました。今求められている金融緩和に対して弱い結果だったことから、市場はマイナスに反応しています。最近では中国共産党序列上位の常務委員も「消費回復に向けた政治提案が必要だ」と国の下支えの必要性についてコメントしていますし、国内の著名なエコノミストも利下げなどの政策支援を求める発言をしています。アフターコロナの経済回復が期待された中国が全く振るわず、中国に向けていた投資資源が日本に流れているとも言われていますので、中国が今後強固な対策で経済立て直しをしてくる可能性があるということは、日本の投資家は注意しておく必要がありそうですね。
さて、先週も触れたNZドルですが、2カ月連続貿易黒字でリセッション入り後も堅調です。先週も16日に88.51で直近最高値を付けましたが、週明けは87円割れまで値を消すなど良い押し目を入れながらの上昇トレンドです。引き続き注目してみています。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋しました。
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・出版社 : 株式会社西東社
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