先週の当コラムで日銀が政府主導で今後政策を変更しやすいのではないかと触れましたが、レポート発行日である19日の午後、神田財務官は為替市場についてこう発言しました。「過度な為替の動きは是正しなければ国民がひどい目にあう。投機的な行動は犯罪的だぐらいに思う時がある」円安についてこれまでにない非常に強い言葉を用いたことが印象的でした。そして昨夜の年初来高値更新ですから、強い警戒感を持ってみています。
来週は10月31日(火)に日銀金融政策決定会合があり、11月1日にFOMCと重要なMPCを控えています。FOMCでの追加利上げ期待は見送りで織り込まれていますが、日銀については何か政策についての言及があるかもしれません。むしろ実弾で介入よりも円安抑制になる何かが出る可能性も否めないので、週明けの日銀会合に対する報道には強く注意を持っておきたいと思います。どうしても、日銀会合で何かメッセージが出るときは事前に報じられること・・・多い印象です。ただその前に一段の円安が進めば「日銀会合前だから何もないだろう」という市場コンセンサスの裏をかいた行動を当局がすることもありますよね。警戒しないで見ておきましょう。非常に神経質な場面です。
さらに今週は中国の不動産大手カントリーガーデン(碧桂園)の米ドル建て債デフォルトが報じられました。同社初のデフォルトですが、2021年の恒大の時よりもプロジェクト数などが多いことから、市場への影響が大きくなると懸念されています。自国経済が持ち直してきていても、中国との貿易の大きい国の通貨は再び非常に厳しい状況になりそうです。
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