ドルに大きな変化2023.12.01

 11月もいよいよ月末で、ドル円が月足で陰線つつみ足になったことを確認できる状態になりました。先週も書きました通り、この陰線つつみ足は2015年8月以来です。当時は125.85の高値を付けたところから2016年6月の安値98.65まで21%下落しました。ただ、この2016年6月というのは、覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、イギリスが僅差で「EU離脱を決定」した国民投票を行った時期です。2016年年初から半年間、離脱派の攻勢が強まるにつれてポンドを筆頭に外貨が全面安になるリスクオフの地合いが強まり、現実に離脱が決まると一段安に突っ込み安値を見せる場面がありました。ドル円尾98.65はその時付けた突っ込み安値ですから、今とは取り巻く状況は違うかもしれません。ただ参考までにこの高値で月足陰線つつみ足を付けた高値から21%の下落を今回の高値151.71に当てはめてみると、119.8円になります。直近でここまで下がる見通しではありませんが、無いわけではない数字ですね。
 

 日足チャートでは今年3月以来の雲下抜けトライの形で、今後出てくる経済指標次第では一段安の動きに警戒が必要ですが、日足の200日線、週足の雲が140円前後に控えていますから、まずはここが強い抵抗ゾーンとなりそうです。

 ドルが売られているわけですから、当然ドルストレートは堅調です。ユーロドルは10月の安値からの切り返しが堅調で、直近では21日線が200日線にゴールデンクロスしてきました。2022年12月7日以来、約1年ぶりの変化です。また両線ともに右上がりに向いた中でのキレイなゴールデンクロスです。引き続き押し目買いスタンスで強気で見ています。

 その他のクロス円もドル円につれる形で鈍い動きをしていますが、その中で昨日(11/29)年内最後の金融政策会合で据え置きを決定したNZドルは、今回も利上げを検討したことや追加利上げに含みを持たせたことが好感され、堅調な動きで年初来高値を更新しています。連立政権も決まり、ひとまず政治が落ち着いたことも追い風ですから買い安心感がありますが、とはいえこの通貨を見ていると、いったん高値を付けるときはセオリー通りに上ヒゲが長い展開が多いクセを感じるので、今の新規の買いは妙味がないと感じます。

 12月に入ると、各国の年内最後の金融政策会合、経済指標の公表、そしてクリスマス休暇へと慌ただしい動きが続きます。ドルの動きに変調が出てきて、新たなトレンドが生まれそうなところです。注意してみていってください。

※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋しました。

 

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