今回は金利据え置きは事前予想通りとはいえ、年央まではあと1回の追加利上げを見越していた向きからすると、大きくハト派転換の色が強く出た会合になりました。特に注目されたのがドットチャート(政策金利見通し)です。2024年末時点での政策金利中央値がこれまでの5.125%から4.625%まで下方修正されました。つまり、現在の金利水準から鑑みた場合、来年中に3回(75bp)の利下げを実施すると想定していることがうかがえる内容でした。9月時点では来年中1回の予想でしたが、こちらも下方です。またFOMCメンバーが想定するインフレ率について、来年中は2.8%を予想していますが、目標値となる2%に到達するまで利下げを待たないのはなぜかという質問に対し、パウエル議長は「待っていたら手遅れになるからだ」と回答しました。これまで早期利下げ期待を打ち消すような発言を続けてきたパウエル議長ですが、今回は利下げ時期を検討したことを含め、利下げにかじ取りを切ったことを示す内容が強く、これまでにない姿勢を示しました。
こうした内容を受けて、米金利先物は来年3月(3月19-20日)の利下げ確率が77%まで上昇し、来年は4回の利下げ見通しが織り込まれて来ています。今回、FOMCが年末から来年に向けて「チャレンジング」でしたね。来週日銀が控えていますが、どのような内容になるか一段と注目が高まります。
ドル円相場は200日線を再び割り込んできました。長期でも去年と今年の2回付けた151円でダブルトップの形になります。高値圏での長期足の陰線つつみ足が見事な下落シグナルになりました。
見通し |
2023年 |
2024年 |
2025年 |
2026年 |
長期 |
GDP成長率 |
2.6 |
1.4 |
1.8 |
1.9 |
1.8 |
失業率 |
3.8 |
4.1 |
4.1 |
4.1 |
4.1 |
物価上昇率 |
2.8 |
2.4 |
2.1 |
2.0 |
2.0 |
FF金利 |
5.4 |
4.6 |
3.6 |
2.9 |
2.5 |
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより抜粋しました。
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