13日に発表された1月のCPIが予想以上に強くインフレの底堅さが確認されたことで、アメリカの早期利下げ期待が後退し、ドル円相場が再び吹き上がりました。この半年はこの繰り返しですが、日銀が動かなくても勝手に下げてくれたドル円相場が再び戻して介入ゾーンに戻ってきたわけなので、鈴木財務相と神田財務官の言動に左右される動きも再びとなっています。今出来ることは、ドル相場の変動に注意することと、マーケットを見られない時間帯のポジションを放置しないよう利食いやロスカットのポイントを入れておくことです。
ちなみにドル円のコロナ後最高値は2022年10月の151.94で、日銀が覆面介入で5兆6202億円つぎ込んでこの時円高防衛を行いました。(2023年2月7日に財務省公表)今回の通貨高ではアメリカの近隣国であるカナダやメキシコも最大の貿易相手国であるアメリカの経済活況の恩恵や資源価格の高騰を受けて通貨が上昇していますが、月足チャートでカナダドルやメキシコペソを見ると、直近でコロナ後最高値を更新しています。特にメキシコはコロナショック以降新興国通貨の中で一番の先進国上昇の恩恵を受けているといえます。モノの値段はコロナショック以降サプライチェーンの回復で安定していたのが、今は紅海など中東問題で再び高騰していますから、火種から遠いアメリカ大陸はモノの値段の上昇はあるものの、安心感からマネーの流入は続く可能性が高いですね。アメリカもこのCPIの数字を見ると、利下げに転換したくてもできないような状況に陥るかもしれません。そんな意外にも強いCPIでした。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。
◇◆◇横尾寧子監修の書籍のお知らせ◇◆◇
FXアドバイザー横尾寧子の監修した新刊がこのたび発売されました!
・発売日 : 2023年1月25日
・出版社 : 株式会社西東社