今週はNZの金融政策会合が行われ、市場期待に対するサプライズで金利据え置きと利上げ期待を打ち消す内容が声明からうかがえたことで、NZドルは大きく下落しています。久しぶりに事前の予想に対する真逆な内容にぶち当たってしまいました。これはもう一段の売りが進みそうですから撤退です。
さて、相場の色合いに少し変化が出てきたかもしれません。日米ともに株価は一服となっており、為替相場もリスクオンのキャリートレードが落ち着いた動きになっています。ドル円相場は29日、ブラジルで行われているG20財務相・中央銀行総裁会議の中での神田財務官の発言がじわじわとドル売り材料になっています。内容自体はいつもと同じですから、相場の目先の流れに変化が出ている中での「売る材料」となっているだけの様子です。売るきっかけが欲しかったところのいつもの発言にトレーダーが乗っかった感じですね。
実際に3月18.19日に日銀会合を控えており、マイナス金利解除期待が強まってきています。3月15日には日銀が注目する春闘の回答集計が公表されます。今の時点でも春闘では多くの企業が満額回答をしていますから、この結果次第では賃上げと物価上昇になっているという裏付けの元、安心してマイナス金利解除を掲げられるお題目になると思われます。ドル円も昨年末来の150円乗せ示現となった後ですから、株価の歩調に合わせてちょっと調整に入る可能性も踏まえたポジション形成が必要ですね。長期のロングはこの辺りでいったん売りも。
またその他クロス円も総じて同様の動きになっています。オセアニア通貨はNZドルの売りに引っ張られてチャートの崩れが早いですが、その他の欧州通貨なども軒並みドルと同じ動きです。リスクオンとキャリートレードをいったん手仕舞う動きが強まりつつあるので、うかつな値ごろ感の買いは厳禁です。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。
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