ドル円相場が23日、153円を突破し、7月31日以来の高値になっています。その円安相場に株式市場は全く連動せず、円安株高の相関性が崩れ、ドル円相場だけが独歩高です。ただ150円を超えてきて一部では介入警戒感も報じられ来ていますが、夏に神田財務官が退任し、三村財務官に交代したばかりで、どのような為替政策をとるかがハッキリ見えてきていません。神田氏と同じ防衛ラインと考えているかも含めて様子見段階です。ただ、少なくとも今週は総選挙真っただ中、そして米大統領選挙を間近に控えていますから、何か行動するという可能性は薄いと思われますので、手出ししないだろうという思惑を背にさらに円安が進む可能性のほうが現実的かもしれません。
24日にさすがに政府サイドから「注視している」という発言は報じられてきて動き一服となっています。このまま円安が急ピッチで加速するようだと、日本の選挙明けの来週は一旦警戒です。
そのドル円の日足チャートを見ると、一目均衡表の雲を上抜け、さらに200日線を突破したことで、テクニカル的にも素直なドル買いの動きが見られます。さらに週足でも雲の上抜けをうかがう展開になっており、週足の雲の上限が上値の抵抗ラインとなるのか、それも上抜けて上伸するのか注目されます。
ちなみにユーロ導入の1999年以降現在までのドル円の月足の陰陽を確認すると、今年と同じく7-9月の3カ月連続で陰線を付けた後、10月に陽線を付けた年は3回(2007、2009、2017年)あり、その3回ともすべて翌11月は陰線です。そして3回とも長期で見ると分かりますが、右下がりのトレンドの途中経過での出現した形であることが分かります。今回が過去の3回と同じかどうかはまだ分かりませんが、1つの経験則的な参考として見ています。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。
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