お隣り韓国で3日に尹大統領が非常戒厳を宣布し、たった6時間で解除となるという目まぐるしい政治不安が大きな懸念になっています。韓国のトップにしては意外な日米韓の連携を模索していましたが、再びこの流れが止まり、親中反日スタンスに方向転換するとしたら、米中問題が今後懸念される中国にとっては好材料、また政治不安の隙を狙って北朝鮮が何か行動を起こすのではないかという見方もあり、極東アジアが非常にきな臭くなっています。
ドル円相場の反応は、3日に非常戒厳が宣布されて韓国株、債券、ウォンが急落する中で一時148円台まで下げましたが、6時間で解除されたという報道で買い戻され、直近では日銀の追加利上げへの思惑で上下して、150円前後で推移しています。
欧州は独は連立政権が既に崩壊しており、12月16日に信任投票が行われ、総選挙は前倒して2月後半に実施予定です。地方選挙で票を伸ばしている極右政党は、総選挙で勝利したら「EU離脱を問う国民投票を実施する」と発言しており、経済減速からの政治混乱が強まりつつあります。
独に続いて今度はフランスの政権が倒れました。これによって来年の予算案が年内に成立するのは難しく、欧州圏経済の重しです。そもそも今年行われた下院総選挙での極右野党の大躍進、与党の辛勝があり足元が脆弱な政権であったことは分かっていましたが、わずか2カ月半で政権崩壊となりました。
世界中がこうした政治不安の中、来年1月20日には強硬なアメリカ大統領が復活してきます。こうした流れですから、今はまだドルが買われやすくユーロが売られやすい状態が続きそうですから、ユーロドルの戻り売りスタンスで見ています。
対円については、先週も取り上げたドル円が11月陰線で引けました。過去4回ともすべて同じ動きをしているとなると、今年の年足陽線でかろうじて引けても、次の年は下げトレンドになる傾向です。またその他気になる通貨の今後の動きも含めて、年内に再度取り上げる予定です。
※当コラムは、木曜日発行の会員向けレポートより一部抜粋しました。
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