先週末にS&Pが欧州各国の国債格下げを発表したことでユーロ売りが進み、ユーロ円は97円割れ寸前のところまで値を消しています。ムーディーズの追随が不安視されていましたが、ムーディーズはフランス国債をAaaで据え置き、連鎖的な暴落を回避することはできました。しかし、このホッとした空気はつかの間のもの。いよいよギリシャのデフォルト懸念が高まりを見せてきています。
同国のパパデモス首相は民間債務団との交渉において「間もなく合意に至る」と話しており、ギリシャのデフォルト懸念は緩和したと捉える向きも存在しますが、実際には市場の視線はもっとシビアなものです。現に現在は交渉中断中で、EU側からさらに厳しく合意に向けた交渉促進を求められることになりそうですが、3月に控える大量の国債償還までに交渉が無事にまとまるかどうか、日一日と期日は迫り、デフォルト確率も高まります。
S&Pの欧州格付け部門責任者は17日「ギリシャは近くデフォルトとなるだろう」、フィッチの担当者も「ギリシャはデフォルトするとみている。驚くべきことではない」とバッサリ。当然無秩序なデフォルトは、周辺諸国への影響も過大となるため避けるべきとあれども、今のギリシャをそのまま放置した場合の痛みが大きいのも事実で、強制的なデフォルト、ドラクマ復帰という外圧も強まり、非常に神経質な時期を迎えてきました。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。