いよいよ9月のFOMCが近づいてきました。今、史上最大のテーマの1つであるアメリカの量的緩和縮小決定が決まるかどうかの動向に注目が集まっていますが、すでに市場では縮小を織り込み始め、投資マネーの逆回転が浮き彫りになってきています。
直近で深刻な動きになっているのがアジアを中心として新興国通貨の下落です。対ドルに対し、インドネシア・ルピアは約4年ぶりの安値、インド・ルピーは過去最安値を更新し、マレーシア・リンギやタイ・バーツ、またトルコ・リラやブラジル・レアルも下落が止まりません。
ただ、今一番不安視されるのはインド、およびインドネシアの動向です。インド中銀は14日にルピーの海外流出を避けるための資本規制を発表するも、ルピー安の歯止めには効かず、20日にはドル売り介入を実施、23日には公開市場オペにて800億ルピー(約13億ドル)の長期債買い入れを実施するなど、通貨防衛に必死です。目先の動きは一旦安値を付けて下げ止まりましたが、その効果がどのくらい続くかは不透明であり、外貨準備の目減りも合わせて注目が怠れません。
インドネシアも連日株式市場が急落し、通貨安も合わせて政府サイドの対策が待たれます。インドに続き、何かしらの通貨防衛策を出すのではないか?という期待が出てきていますが、この新興国不安が例年のアノマリーである秋波乱の大きな要因になる可能性が高まっています。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。