今週初めに「米英が週内にシリアに軍事行動の可能性」と報じられてから、日を追うごとに地政学的リスクが深刻度を増して市場席巻中です。すでに軍事攻撃が行われているという報道や、29日に攻撃するという報道など、現地情報も錯綜し、目先のトレンドはとても見えづらい状況になっています。
かつて有事のドル買いと言われたドルも、2001年の9・11以降は、有事のドル売りという表現が増えました。ただ、当時の動きを見ても分かるように、有事発生の際はドルは売られていますが、その数ヵ月後の2001年末には当時の水準を上回るドル上昇になっていました。
以降、有事の発生時にはまずドルが売られるも、その後はドル買いに傾斜するという流れが出来上がってきています。今回は、新興国通貨安による各国の通貨防衛策としてドル売り自国通貨買い介入も実施されており、タイミングが合わさってドル売りが進みやすい地合いが作られましたが、通貨安は止まらず、ドルは下げ渋り・・ここから有事発生はドル買いという流れも想定しておきたいです。
また軍事行動が行われれば、現時点での見通しでは短期間で収束されていく見込みがとても高いので、ここは見送って9月からの秋スケジュールに備える時間にするもアリです。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。