今年年初からの円安トレンドの中で、欧州債務危機を乗り越えて値上がりを続けてきたユーロに連れ高する動きで、英ポンドもこのところ良い動きが続いています。
週足の一目均衡表を見ると、2007年11月以来、4年5ヵ月ぶりに雲を上に突破し、長く重く立ち込めた上値の大きな壁を突破しました。現在132円台で推移していますが、これで下値に128円台のサポートが出来ましたので、下げにくい形が作られてきているようです。
イギリス・ロンドンでは今年の7月から夏季オリンピックが開催予定ですが、オリンピック景気がなかなか経済の追い風にはならず、慎重姿勢の金融政策が続いています。
先般3月に開催されたMPCでは、追加の緩和策を求める声がBOE委員から出ていたことが議事録でも公表されており、英ポンド単独での買い材料がなかなか出てきません。直近の経済指標も弱い数値も多く、そのたびに売り込まれますが、結果、そこが押し目になってきています。
この通貨も、相場が先行する形で経済を引っ張り上げる動きになってきている様相です。と考えると、あまり指標にこだわって売り場さがしをしていると、大きなうねりに持って行かれてしまうかもしれません。マクロ的には売りでも、チャートは上昇トレンド。タイミング判断が非常に難しくなっていますが、英国指標の発表後を買い場にスウィングで流れを見ていきたいところ。
いずれにしても初夏には多少のオリンピック風に吹かれるのでは・・・。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。