5日に2ヵ月連続利下げを実施したオーストラリアの2012年第1四半期GDPが発表されました。結果は前期比予想+0・6%に対して、結果+1・3%。前年比は予想+3・3%に対し、結果+4・3%といずれも強い数字となったことで、豪ドル急伸の動きになっています。
RBAは金融政策及び介入について、他の中銀と比べても非常に対応が早くアクティブだという側面がありますが、今回の波乱地合いでもその動きが見事に発揮された印象です。
利下げを連続して強行したことで豪ドル高が修正され、資源価格下落で苦しむ国内企業を中心に通貨面から下支えすることが短期で成功しています。また国内インフレ率の変動も落ち着いており、早めの金融政策が混乱をしっかりコントロール出来ています。豪ドル動向には中国の景況感が切り離せませんが、今回のGDPを見ると、波乱後に一番上昇しやすくなる通貨として下げたら押し目買いがコンセンサスになりそうです。
しかしながら、5日のRBA声明ではまだ利下げの余地をしっかり明言していますので、欧州問題で今の安定感はひっくり返される可能性も高いです。まずは日足で21日線を上回ってくるかどうか確認してから次の行動を考えていきたいところです。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。