週末にユーロ圏財務相の電話会議により、スペインの銀行資金増強に向けて最大1000億EURの支援を行うことで合意したと発表があり、スペインの銀行債務問題に安心感の側面も浮上していますが、それで本当にスペイン問題が落ち着くのか?という懐疑的な見方も潜在し、12日の欧州市場ではスペインの10年債利回りはユーロ導入来最高の6・857%まで上昇し、ユーロ円は100円の上値が重くなってきました。
今回の支援についてはスペイン政府側からの正式要請を受けて発動となりますが、スペイン政府は6月21日までに外部監査機関によるストレステストの結果を受けて要請へという手順になっていますので、来週はギリシャ選挙の結果も併せて、金融市場はハードな週前半を迎えることになりそうです。
昨日、ドイツのメルケル首相は講演でユーロ共同債について検討するタイミングではないと一蹴しましたが、ギリシャやスペインの問題だけでなく、ユーロ圏の抜本的な改革が求められています。傷が出来たら絆創膏を貼って治ったつもりになる…のままでは、第2、第3のギリシャやスペインが再び出てくるかもしれません。
現在のユーロ安の恩恵を最大に受けて独り勝ち状態のドイツがどこまでこの危機に腹をくくれるのか?一段と大きな課題として注目が高まりそうです。
直近ではECBがLTRO3の実施や政策金利の引き下げなどの対応をするのでは?見方が浮上しています。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。