ギリシャ問題は緊縮財政派の勝利と連立合意で無事に落ち着き、次の目線はスペインへと移り変わってきています。まだまだ世界経済への不安感はぬぐえない中で、米はFOMCを迎えます。このレポートがお手元に届くころには結果が出ていますが、それを踏まえてドル円の動向を考えてみましょう。
現在のドル円は78円後半から79円後半にかけて、1円幅での狭いレンジが続いています。市場がリスクオンになるとドル円は上昇になる一方、ユーロドル、ポンドドルをはじめとしたドルストレートではドル売りに傾くため、ドル円の上昇も頭を抑えられる形になります。リスクオンの好材料が非常に強いものであれば、この形を抜けてドル円も上昇に弾みがつきますが、現在のところはまだ不透明感が強いため、一段の上昇に結びつきません。
また78円前半になると、政府・日銀による介入懸念が出てくるため、下値が堅いのが実情。結果として、もうしばらくドル円は非常に小幅の動きが続きやすいのではないでしょうか。
ただし、日足の一目均衡表では、直近で転換線が基準線を上抜けてきました。材料ひとつで大きく変わる局面です。FOMCの後、再来週には雇用統計の時期になってきます。小幅のレンジがどちらに向くかどうか、転換のポイントが近づいてきたと思いますので、ドル円動向注目です。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。