米雇用統計の結果を受け、年始から続いていたリスクオフムードが依然台頭しています。対円で特にリスクオフの巻き戻しの動きが目立ったのが、以下の通貨ペアです。
カナダドル円 高値から▲4・6%
スイスフラン円 高値から▲4・3%
ポンド円 高値から▲3・7%
ユーロ円 高値から▲3・6%
ドル円 高値から▲2・5%
※直近高値と安値の騰落
カナダはこのところ経済指標が振るいません。12月のIveyは予想54・5に対し、46・3と低く、好悪分岐点の50も下回りました。雇用統計では失業率が予想6・9%に対し7・2%と悪化、就業者数もプラス予想に対して、4万5900人減と減速しました。一頃の景況感は遠く、不安感が残る結果で売り込まれやすい経済地合いになっています。
またスイスフランは史上最高値を付けた後でしたから、警戒感もありました。加えてスイス中銀が保有する金価格の下落を受けて90億スイスフランの損失を発表。1907年の業務開始以降で初めて無配とし、国や自治体への利益還元も見送る方針。100年以上の歴史に影を落とす結果となり、利益還元を充てにしていたであろう自治体の財政状態も、今年後半不安感が出てくるかもしれません。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。