アメリカがQE3を発動した根本には、雇用の回復を強く望むという姿勢が打ち出されていました。まだその効果が波及するには時間がかかりますが、ひとまずQE3決定後最初の雇用統計が今週金曜日に発表されます。
8月の雇用統計はNFPが9・6万で10万件を割り込み、QE3発動の引き金の一つになりましたが、今回の予想平均値はこれを上回る12〜13万人が見込まれています。ただし注意なのは失業率で、こちらは前回8・1%と若干の回復を見せましたが、今回は8・3%が予想値と悪化を見越しています。
両者ともにベアな数字であればマーケットの方向観が定まりやすいですが、両者がブルとベアと分かれる数値になると、結局はトレンドが出ないまま、ずるずるとドルが売られる場面が続きそうです。
ただ、このドル売りはリスクオンの流れをくんでいますので、円相場から見ると円絡みの通貨ペアは円売りに流れやすいか。ドル円は円売りとドル売りに挟まれて、下値を試しにくいかなという印象です。
ただ、欧州問題の最大注目であるスペイン次第では、ユーロの回復がリスクオンの流れを作って、全体的に引っ張られる空気になりやすいかと思います。逆もありですが・・・。スペインの支援要請の有無や期日の方が実際は為替相場の動意になりそうです。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。