4日にMPCを控えるイギリスポンドの動きが冴えません。対豪ドルでは2001年9月の高値3・0350以降右下がりが続いており、現在1・44台と最安値水準です。対ドルでもこのところは売りが目立っていますが、アベノミクスで対円では比較的しっかりした動きを保っていました。が、ちょっとテクニカル的に黄色信号です。
日足の一目均衡表を見ると、現在は上から雲に突入し、雲の中に留まっていますが、雲の下限が4月10日には142円まで切り上がります。現在は141円台で小動きですから、雲をきれいに上抜けするには威力が足りません。雲はこれまでの上昇を描くように右上がりが続きますから、今後は雲に上値が抑えられる形が想定できます。日々線が雲に下抜けとなると、昨年5月17日以来の変化です。
また移動平均線で見ると、21日線を下回り、今現在は89日線でピタリと下げ止まっています。これを割り込むと、一目同様昨年5月17日以来の変化です。
テクニカル的にはネガティブなシグナルが続出する寸前という形で、これを下回るといずれも一段の安値が見られるかもしれません。ちなみに昨年11月から今年2月の直近高値までの上昇の38%戻しが139円、50%戻しが136円です。
約1年ぶりのネガティブな変化の出現がすぐそこまで来ていますので、投資家心理的にもポンドには買い向かいにくいところ。7月の新総裁就任まで、自国総裁のプライドもかけて、BOEが追加緩和の「何か」をやるかも知れませんから、ポンドの一段突っ込み場面も念頭に置いておきたいところ。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。