ドル円が100円の大台乗せ防戦で一旦値を消したところで、週末のG20を前に先週末出た米財務省の為替報告書の文言への過敏な反応、そして金相場の急落とせわしなく不安感を誘う材料が浮上し、極めつけはボストンマラソンのゴール付近で爆発が起きたことでドル売り円買いの流れが加速しました。ドル円は一時95円台まで値を消し、一旦は反発しています。
今回の円買いにおけるプロセスにおいて、金融関連のニュースに的を絞ると気になるのが金の動きです。
先週末EU財務相会合がキプロスに最大100億ユーロの金融支援を行うことと、キプロス中銀が保有する金のうち4億ユーロ(約530億円分)を放出することが報じられ、金に対する嫌気が出てきました。これが認められるようだと、他国中銀も金の保有分を手放すのではないか?という懸念を誘っています。ちなみにイタリア中銀の金の保有が2500トン、ポルトガルが530トンと言われています。
先週末から急速に進む金の売りは、機関投資家の手仕舞い売りや、中国絡みの金放出など、憶測ばかりも相まって加速して市場に不安感を広げていますが、その不安感もさほど日本株市場には波及していません。むしろしっかりとした強さが改めて確認できるほど。ドル円、クロス円もG20絡みのニュースが経過したら、しっかり押し目で拾いたいところです。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。