依然として世界で続く自国通貨安政策ですが、日本同様今春から強力な緩和競争に参入してきたのがトルコです。このトルコの通貨はリラですが、昨年暮れに弊社のセミナー参加者の方々に行ったアンケートで、最も人気の高い新興国通貨でした。2ヵ月連続の金利引き下げで、政策金利を1%引き下げましたが、依然4・5%と高く、世界のマネーが集まりやすい地合いが続いています。
直近17日の中銀会合で追加利下げが決定し、トルコリラ急落となりました。中銀は定例報告の中で利下げ理由として、海外マネーの資本流入が強く、商品相場の下落と相まって、自国経済を圧迫していることを説明しました。同時に、内需拡大でインフレ率の上昇が高まることにも注意を示唆していることから、金融政策が再び緩和から引き締めに転換する可能性も否めません。
この会合と同日にムーディーズが同国国債を投資適格級に引き上げたことも後押しとなり、一時的な通貨の調整場面があっても、結局マネーの流入は抑えきれないのでは?という見通しが台頭しています。
現在のトルコリラ円は、2009年の高値の後の下落から3分の2戻りを達成、イスタンブール・ナショナル100種指数(株価指数)は過去最高値を更新中。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。