直近の円買い地合いからドル円、クロス円ともじりじりと値を戻してきていますが、この間に出てきたネガティブなファンダメンタルズや地政学的リスクの燻りを受けて、小幅円売りながら動きが鈍い日が続いています。
直近では、先般お伝えした米ファイザーによる英アストラゼネカ社買収が一旦破談になりました。今後の流れは分かりませんが、これは英経済にマイナス要因であったものの、連休明けの米欧の堅調地合いに連れる形で株価は再び上昇し、英ポンドも下げ足が強まることもなく、しっかりと高値を保って、悪材料が織り込まれた動きになっています。ポンドは170円台が安定した水準に固まりつつありますね。
2008年秋には対円で週間40円もの暴落を見せた、暴れ牛だった英ポンドが、今ではトレンドに沿って堅調な右上がりを崩しません。
週足チャートを見ると、現在三角保ち合いです。また今のままだと来月半ばに一目均衡表の遅行線が2012年5月に上抜け以来2年ぶりに、ローソク足にタッチしますから、前後で少しもみ合いが続き小動きになるかもしれませんね。英ポンドは早期利上げスタンスですから、テクニカルの上放れを前提に、中期テクニカル面から変化に注意したいところです。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。