ドル円が200日線を下回り、ユーロ円は200日線がしっかり上値を抑えられている中、今年年初から1ヵ月で10円近く値を下げたカナダドルが、6月20日に200日線を半年ぶりに上回り、ひとり切り返しの強気上昇を見せています。
この20日に発表された5月のCPIが、前年比で+2・3%となり、12年2月以来の高水準になったことから風向きが変わりましたが、加えてイラク問題が浮上したことで地政学的リスクから原油が上昇し、このエネルギー価格の上昇が強い追い風になっています。
カナダの政策金利は現在1%、前カーニー総裁(現BOE総裁)時代は、利上げに付いて前向きなコメントが多かったですが、最近は話題になることもあまりありませんでした。しかし、インフレ率が2±1のインフレターゲット圏内に入ってきたことで、NZや英国に続く利上げ転換“可能国”として、にわかに注目されてきそうです。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。