日本の個人投資家動向を見ていると、この動きの鈍い夏場もポンド、NZドルが対円で買われています。利上げ期待通貨と継続中通貨で買い人気は高いので、下げたところで長期のロングも入りやすいのですが、特に英ポンドは目先の動きに注意したい。
このところ気になる1つがBOEとカーニー総裁の発言のブレ。13日のBOEインフレ報告では利上げに対して「緩やかになるだろう」とハト派な見方が利上げ期待を後退させ、18日に報じられたカーニー総裁のインタビュー記事内のコメントに「実質賃金が上向くまで利上げを待つ必要はない」とあり、インフレ報告の内容を打ち消すような印象に。この発言を手掛かり材料に、英10年債は年初来の大幅な下落になりました。
BOEが進めたい方向性がイマイチ見えず、9月のスコットランド独立の是非を問う選挙も控えていることから、目先はポンドを買いづらい地合いになりそうです。
ポンド円は2012年11月以来の200日線タッチとなり、週足の一目では、同じく12年11月に雲を上抜けして以来サポートラインとなっていた基準線を先週割り込んできました。約2年ぶりのネガティブな形です。
経済を牽引してきた住宅価格も過去最高を更新する反面、ロンドンの住宅売却価格は7年ぶりの暴落となっているなど、足元が少し不安定ですから、目先は注意を。
※こちらのコラムは毎週水曜発行の会員向けレポートから抜粋したものになります。