11月11日のロンドン市場で、ドル円が2007年10月以来の116円乗せ、豪ドル円が昨年5月以来の100円乗せ、NZドル円も89円台の上値の抵抗線を突破して、90円62銭まで続伸するなど軒並み外貨高円安地合いが強まっています。対ドルで通貨ペアを見ると総じてドル高ですからドル独歩高が顕著ですが、さらにドル買いムードが強まる可能性が高いのがNZドル/ドルです。
直近では2013年6月の安値0・768を割り込んだところで一服しています。12日早朝の出されたRBNZ金融安定化報告では「NZドルはなお高く将来的に下落する可能性。」「持続可能な水準を上回る」とされ、ウィーラーRBNZ総裁も「NZドルは依然として過大評価されている」とコメントしています。
9月29日に8月に介入したことを発表した際、キーNZ首相は「1NZD=0・65USDが適正」と為替ターゲットを言及していたことも思いだされます。0・65を臨むのであれば、0・76の現在、NZ側から見るとまだまだ下げ足りないでしょう。
金利については数年以内に再び上昇する必要があるともしていることから、一旦NZドル売りに歯止めはかけられていますが、目先は自国通貨を下げたいNZ側の思惑が再度為替に効いてくる可能性も高いと思われます。全体的に円安トレンドが強いですが、この点を考慮するとNZドル円を買うなら、豪ドル円を買う方が上値余地が高いのではないかと思います。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。