18日に安倍首相が増税延期、解散総選挙を正式に発表し、10月末の緩和に加え
て円安材料が整ったことで、ドルは20日には2007年8月以来の118円突破、
119円目前まで上伸しました。21日午前は、麻生財務相(解散前)が「この1週
間、円安の進むテンポが速すぎる」とコメントしたことで117円ミドルまで調整し
ました。後場は日本株の出直りに連れる形で再び円安基調になっていますが、随分ド
ル円の水準は上がりました。一旦は押しがあるかもしれませんが、ファンダメンタル
ズが強力にサポートしているドルに「売る材料」が見当たらないのが実情。ロングで
入りきれなくても、ショートせず押し目待ちで買い場を探す方が無難そうです。
ちょうど2年前の2012年も、全く同じ時期に解散→総選挙の道筋を辿りまし
た。当時のドル円の動きを遡ってみると、解散表明をした11月14日が80円23
銭、そこから21日まで82円83銭まで円安が進みましたが、その後は選挙を睨ん
で一服。同時期に米感謝祭も重なりましたから、ちょっと小康状態になりました。再
び動意付いたのは12月16日に総選挙を控えた12日。選挙で政権交代が確定する
と年末に向けて86円79銭と円安が一段と進む展開へ。
今回と今は経済状態が日米ともに違いますが、選挙を控えた動きという意味では参
考になるかもしれません。