ドルが2007年8月以来の119円台乗せとなり、しっかりした円安基調が続いています。今週は週末に米雇用統計の発表を控えています。この11月の雇用統計のNFP予想中央値は+23万人、10ヵ月連続の20万人越えが期待されますが、その前日4日には追加緩和が示唆されるECB理事会もあり、ドルが買われやすい地合いが続きます。最近の傾向で言うと、雇用統計前に好結果の思惑を受けたドル買いが進み、発表前に高値を達成することが多いため、雇用統計を待たずに120円乗せとなる可能性が高いのではないかと思います。
引き続き来年に向けて円安が続いて行くと考えられますから、浅い押し目でも買っておきたいところ。また来年は米が利上げを控えていることに加え、急ピッチで進む円安により日本国内消費動向に陰りが見られたり、CPIを圧迫するようであれば、日銀の追加緩和の必要性も示唆される可能性が高いという心配が出てきました。
円安が進む材料が目白押し、逆に円を買う材料がありません。
参考までに、前回日本が円買い介入したのは98年の140円台の時ですから、現在の120円前後の水準で上値に怯えてドル買いを見送るのは勿体ないですね。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。