1月のMPC議事録で、現在の金融政策を据え置くかどうかの投票がこれまでの7(賛成)対2(反対)から、9対0とへと全員一致で据え置くことを決定したことで市場に大きなインパクトを与えたBOEですが、またコロッと旗色が変わった印象です。
これまで現在の政策に反対してきた2名は早期の利上げを訴えてきましたが、この2人が1月に利上げスタンスを翻したことで、BOEの早期利上げ思惑が完全に後退しました。ところが2月12日に発表された四半期インフレレポートの中ではまだ低インフレを見込むものの、インフレ率は2年以内に2%に戻すとし、カーニーBOE総裁は「次の金融政策変更は利上げ」と改めて明言し、量的緩和の可能性を排除しました。ウィールBOE委員はさらに「金融市場の見通しよりも利上げ時期が早まると予想」とコメントするなど、再びのタカ派色です。
短期金融市場は、BOEの利上げ時期を2015年11-12月で織り込み始めました。ドルに続く利上げ通貨ということで、ポンドには買いが集まりやすい地合いです。対ドルでは先に利上げが見込まれるドルの強さに押されそうですが、対円では買いチャンスを考えたいところ。ただ、今年の5月には英総選挙を控えており、選挙を踏まえた発言の応酬も出てきそうなのですから、飛びつき買いは注意です。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。