4月から5月にかけて独10年債利回りが急騰し、ユーロを押し上げる動きとなり活発なボラティリティを見せましたが、これについて6月4日に行われたECB会合にてドラギ総裁が「高いボラティリティに慣れる必要がある」と容認したことで、独10年債利回りは再び急騰し、一時1・0619まで上昇。昨年9月の利回り水準を示現しました。
この債券の高いボラティリティについてはバイトマン独財務相も11日「債券ボラティリティを歓迎」とコメントし、現在の債券ボラティリティが異例に高いということは無いと容認する姿勢を示しました。独10年債の利回りは経済状況を鑑みると1~1・5%程度が妥当と見る向きもあり、ECBが利回りの急変に介入しないことも確認されたことで、債券売り、利回り上昇からのユーロ高機運となる可能性があると考えられます。
加えて10日には「(実質実効為替レートの)さらなる円安は普通あり得ない」という黒田日銀総裁発言を受けて、ドルの上値が非常に重くなっていますから、この点からもユーロには追い風基調。
ただ、来週はFOMCを控えてドル主導相場になることに加え、ギリシャ問題がいよいよ大詰めとなりそうな時節柄、ここは方向感を読もうとせず、流れに任せていつも以上のクイックレスポンスなトレードを心掛けたいところです。