NY原油相場が41ドル台まで下落してきており、産油国であるカナダドル安が止まりません。年始は年内利上げスタンスを示唆していたカナダ中銀は中国株安と原油下落地合いを受け、7月15日にサプライズで0・25%の利下げを実施し、資源市況の下落に過敏に対応をしました。しかし原油安は歯止めが効かなくなっており、対ドルでリーマンショック後の安値である2009年の1・306を抜いて、直近で1・321までドル高カナダドル安地合いが進んできました。9月9日に中銀会合を控えていますが、原油安が止まりませんので、追加利下げをしてくる可能性も。まだまだ下値が見えない状況です。
この原油安に中国人民元安のダブルパンチで影響度が一段と高いのが豪ドルです。対ドルで2011年9月の高値1・10から直近安値0・72まで34%値下がりとなっていますが、こちらもまだまだ止まる気配が伺えません。リーマン破たん後の大暴落となった2008年10月の安値0・60は一つの大きな下げの目安となっていますが、人民元安が実体経済に数字として結びついて、貿易収支等の急減速がファンダメンタルズで確認されると、一段と売りが強まりやすいのではないかと思われます。
両通貨とも戻り売りスタンスです。値ごろ感の買いなどで引っ掛からないよう、気を付けて見ていきましょう。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋しております。