2013年9月に就任したアボット首相が、来年の総選挙を前に支持率低迷がしていることから、閣僚内から突如クーデター的に退陣要求が飛び出し、15日、元通信相のターンブル氏が新首相に就任しました。
これまでのアボット政権は親日外交を進めてきましたが、新首相のターンブル氏は、今後は安全保障よりも経済政策に重点を置くとし、対中政策に力を入れるという見通しが強まっています。尚、この交代劇は突然のサプライズで市場関係者もまだ今後の方向性を精査しきれない状況ですが、1点ポイントは、ターンブル首相が元ゴールドマンサックス幹部であり、金融には精通している実業家出身の政治家だという点でしょうか。内閣改造は週末までに発表されるとのことですが、豪ドル投資において発言に注目されたホッキー財務相は退任する見通しで、オーストラリアの金融政策は、突然変化が出てきそうな雰囲気です。
豪は中国経済減速で国内景気の減速が懸念されています。直近発表された前期比GDPも0・2%まで減速しており、24年間リセッションの経験のないオーストラリアがどうここを持ちこたえられるか、その新首相の手腕に注目が集まります。
豪ドル円はこのところ再び個人投資家からの注目が高まっているようですので、経済・政治の角度から追って取り上げていきます。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。