先週の会員向けレポートで取り上げたNZドルは、10日連続陽線で一目均衡表の雲を上抜けし、トレンド転換を示唆した動きになっていましたが、2点注意すべき内容が出てきました。
1点は、欧州同様にNZも移民増が深刻度を増してきており、経済停滞の今、その移民を吸収できない状況になりつつあることに懸念が広がっています。これまで移民を積極的に受け入れてきた同国ですが、今後は雇用の悪化に繋がる可能性も心配されます。
もう1点は、14日早朝、ウィーラーRBNZ総裁が「若干の追加緩和の可能性強そうだ」と発言したことで、一時対円、対ドルともに売られました。NZの政策金利は現在2・75%で、直近では10月29日に政策会合を控えています。
足元の動きを見ると、対豪ドルでNZドル高が進んできましたが、直近で両国ともに利下げ懸念が浮上してきたことで、一旦動きがこう着するかもしれません。やや様子見か。対円、ドル共については、日足で同じような一目雲上抜けチャートを形成しています。この2通貨ペアでどちらのトレードをするか悩むようであれば、利上げ期待後退が根強い対ドルの方が、ドル安傾向が強まりやすく金利差に着目したNZ買いが強まりやすいか。
※こちらのコラムは毎週水曜日時点で執筆した会員向けレポートより抜粋・追記しております。